van der Weijdenら(1998b)によるとブラッシング圧は407.4gまでは上昇とともにプ
ラーク除去率が上昇するが、それ以上は逆に減じる報告をしている。そのことにより至適
圧を400gとしている。
Hasegawaら(1992)も100〜500gまでは同様と報告している。
tanakaら(1996)によると、イヌ歯肉では50,200,400gのなかでは200gで10秒間機械
的刺激(スクラッピング法)を行った時が、酸素飽和度、酸素分圧ともに最も上昇が長時
間持続されたと報告している。この条件が歯肉における短期的な微小循環機能を最も促進
したことが示されているが、長期的な歯肉炎症の改善に繋がるかどうかは今後検討が必要
としている。
1、 歯肉損傷(上皮びらん)
2、 根面露出を伴った歯肉退縮
3、 セメント質および象牙質の歯頚部磨耗
歯肉損傷について
Danserら(1998a)らの実験によると、54g〜304g 平均169gでは、ブラッシング
圧と歯肉磨耗発生との間には相関関係はなく、その他の要因(ブラッシングの方法、歯の
解剖学的形態、毛の形、ブラシヘッド、ブラッシング時間、手の器用さなど)が重要であ
ると報告している。
人における横磨きの際の圧力の研究結果では、Mannerberg(1960)によると男性で539g、
女性で478g。Phaneufら(1962),Fraleighら(1967)によると手用歯ブラシで318〜471
gと報告されている。
従来からのmatuzawaらの報告では、手用歯ブラシで149〜1100gである。
手用歯ブラシを使用している時の平均圧における損傷関係は明らかでない。一般に過度
の圧は歯肉を損傷すると考えられる。
Hasegawaら(1992)は300gを越えると痛みや歯肉出血を引き起こすので大人も子供
も300gが最も効果的と述べている。
根面露出を伴った歯肉退縮について
MierauとSpindler(1984)は歯肉退縮の認められない被験者の手用歯ブラシの平均ブラッ
シング圧が2.12N(+-0.31)184g〜247g、歯肉退縮が多数ある群
の平均が3.75N(+-0.47)334g〜430gであると報告している。
*1N(ニュートン)は101.97重量グラムに相当
セメント質および象牙質の歯頚部磨耗について
Tooth wearの原因は 口交耗、酸蝕、磨耗に分類されている。
その中で、歯ブラシによる磨耗は歯とブラシの接触時間が主要素で、ブラシの毛の硬さや
歯磨剤(研磨剤)の磨耗性によると言われている。
しかし、これに対する意見は分かれており、有用な科学的データは今日までほとんど存
在しない。
SaxtonとCowell(1981)はブラッシング圧は磨耗のメカニズムにおいて非常に重要な要素
であると指摘している。
手用歯ブラシにおいて、清掃効率のみを考えた場合は400gでも良いのであろうが、
歯肉出血や痛みの誘発を防ぐ為には300g以下、歯肉退縮を誘発せずに歯肉の新陳代
謝(マッサージ効果)を促進する為には250g以下でブラッシングすることが望まし
いと考えられる。
また、初めて使用すると何かもの足りない感覚であるが、この感覚が今まで正確に指
摘できなかったブラッシングの弊害を予防する大切な感覚であるのではないだろうか。
「テキアツ君」はシンプルな構造であるためごく自然にブラッシング圧を意識した練
習を行うことが出来ることも有用である。
適用としては、以下が考えられる。
@小学高学年から大人までのブラッシング指導用歯ブラシ
A要介護者への術者みがき指導用歯ブラシ
B歯肉退縮を予防しマッサージ効果を期待する常用歯ブラシ
C適正な歯ブラシ圧の確認歯ブラシ